「パチンコ・パチスロでの収益に税金はかかるの?」
遊戯したことのある方で気になっている方も多いと思います。今回は、パチンコ・スロットの税金計算や経費などを正しく知るための説明していきます。どのぐらいの利益から確定申告が必要になるのか把握しておきましょう。
目次
確定申告について
確定申告とは
普段から聞きなれている確定申告とは、簡単にいうと所得税の申告のことです。
そもそも所得税は所得を対象に課税する税金で、年間を通して利益があった個人は、所得税を納める義務が発生します。
さらに、所得税の申告方法は個人が自分で利益を計算して申告する方法が採用されています。このように自分で利益を計算・確定して申告することから確定申告といわれます。会社員の場合は会社が給与に関係するものを計算して確定申告を行ってくれます。会社が確定申告を行うことを年末調整といいますが、パチンコ・スロットの利益は反映されません。また、所得税は利益に対して課税されますが、一定の金額までは課税されません。この一定の金額は、パチンコ・スロットでは20万円または50万円が目安になります。ただし、個人の状況や他の所得(給与所得など)があるかどうかで変わることもあります。
2023年の提出期限
2023年2月16日(木)~2023年3月15日(水)
これが2022年 / 令和4年分の申告を行う期間です。よくわからない方は以下も参照してください。
『2023年の確定申告期間はいつからいつまで?期限を過ぎたらどうなる?』
・注意すべき変更点
近年、確定申告についての変更点もあります。その点についても以下を参照してください。
なお、初めて確定申告をされる方、また確定申告の必要があるか分からない方は以下を参照ください。
パチンコ・スロットにおける確定申告について
パチンコ・スロットでの確定申告の目安は20万円または50万円を超える利益になります。パチンコ・スロットの確定申告が必要かどうかを判断するためには、実際に所得税の計算を行ってみるとよいでしょう。
パチンコ・スロットの所得
得税の計算では、まずパチンコ・スロットの利益がどの所得に分類されるかが大切です。パチンコ・スロットの利益は、基本的に一時所得に該当します。例外として雑所得に該当することもあります。
まず、一時所得の定義は以下の通りです。
「一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。」(国税庁)
上記の定義で重要なことは、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得」という点です。娯楽としてパチンコ・スロットを行う分には、相当な頻度ではないため「継続的行為」にはなりにくいです。したがって娯楽としてのパチンコ・スロットの利益は一時所得に該当します。
一方で、いわゆるパチプロと呼ばれるパチンコ・スロットで生計を立てる人は、「継続的行為」になる可能性が高いため、一時所得に該当しない可能性があります。つまり一時所得ではないため、消去法的に雑所得に該当します。
また、パチンコ・スロットを個人事業主として行うことで事業所得とすることが考えられます。ただし、帳簿付けや決算書を作成して確定申告を行うことになります。
このように、パチンコ・スロットの利益は基本的に一時所得になりますが、例外としてほぼ毎日行う場合は雑所得になる可能性があります。詳細は後述で説明しますが、一時所得であれば50万円、雑所得であれば20万円の利益が確定申告を行う目安になります。
パチンコでいくら勝ったら確定申告が必要か
パチンコ・スロットの利益が一時所得になることを前提とすると、確定申告が必要になるのは年間50万円以上の利益(勝ったときの収入金額合計)があった場合です。
この50万は、一時所得を以下の式で計算するためです。
[一時所得 = 総収入金額 - 必要経費 - 特別控除50万円]
総収入金額:年間の払戻金額の合計です。
必要経費:勝ちに直接結びついた投入金額のみで、負けたときの損失は含まれません。
注意点として、上記の式の結果がプラスになる総収入金額が50万円超を参考にしています。現実的にはパチンコ・スロット以外の所得との兼ね合いで50万円超の利益があっても税金が発生しない場合があります。
また、パチンコ・スロットの利益が雑所得になる場合は、トータルの利益(勝ち分と負け分の通算)が20万円超のときに確定申告が必要になります。ただし、以下で説明するように負け分が経費として認められるかどうかは難しい問題です。
補足として、パチンコ・スロット以外に給与所得などがある場合は基礎控除や社会保険料控除を使うことができないため、上記の50万円と20万円が確定申告を行う参考になります。
負けた場合は経費で申告できる?
結論からいうと、負け分を経費とするのは難しいです。経費としての考え方は一時所得と雑所得で異なるため、それぞれ説明します。
まず一時所得では、パチンコ・スロットの勝ち分に直接必要だった経費しか認められません。つまり、負け分を経費とすることがそもそもできません。
例えば、2日間パチンコをした場合、1日目の負け分は2日目の勝ち分と相殺することができません。経費として認められるのは2日目に投入した勝ちにつながった部分のみです。
次に雑所得になる場合は、一時所得とは違う理由で、経費にすることが難しいです。それは、パチンコ・スロットでは領収書などが存在しないためです。
領収書などがなければ負けた金額を証明することが難しくなります。
申告しなかったらどうなるか
SNSや周りの人の通報などがきっかけとなり、税務署に無申告が見つかることがあります。無申告がみつかると税務職員から連絡があり、税務調査に発展することも考えられます。税務調査の結果にもよりますが、以下の所得税に関係する税金を納めることになります。
・本来納めるべき所得税
・延滞税
まず、本来納めるべき所得税というのは、期限内に確定申告を行っていたと仮定した場合に支払う所得税です。パチンコ・スロットは源泉徴収されないため、利益が出ていると必ず税金を支払うことになります。
次に、無申告加算税は無申告であったことに対するペナルティの税金です。
金額的には上記の本来納めるべき所得税に対して50万円までは15%、50万円を超える部分には20%を乗じた金額になります。ただし税務調査の前に自主的に申告した場合は、この割合が軽減されます。
次に、延滞税は確定申告の期限から計算して利息のように増える税金です。
年利率は約2%から最高14%程度で、無申告の期間が長いほど高額になります。
最後に、上記の所得税とは別に本来納めるべき住民税と住民税の延滞金が発生することがあります。所得税は税務署が担当し、住民税は市区町村の役所が担当していますが確定申告のデータを共有しているため、役所にも無申告であることがみつかります。さらに、国民健康保険の場合は追加料金が発生します。
無申告はペナルティしかないため、パチンコ・スロットの利益が50万円以上ある場合は、必ず期限内に確定申告を行いましょう。
まとめ
パチンコ・パチスロの利益は基本的に一時所得になり、例外として雑所得になります。娯楽で楽しむ分には一時所得で、生計を立てるほど継続的に行う場合は雑所得になる可能性があります。
一時所得になる場合は、勝ち分が年間50万円以上になった場合に確定申告が必要です。負け分の損失が経費として認められないことに注意しておきましょう。
雑所得になる場合は、年間のトータル利益が20万円以上で確定申告が必要です。ただし、負け分の損失が経費になるのかは証明が難しと考えてください。
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