2023年、パチンコやパチスロは目まぐるしく変化を続けいます。スマスロが導入され、スマパチも間も無く登場となります。しかしながら遊戯人口は、1980年から1995年の約3,000万人をピークに、2021年の時点では813万人まで減ってしまってます。実はこの【遊戯人口の減少】もパチンコ店のスタッフを集めにくくなっている要因の一つとなっています。今回はパチンコ店の人材募集が、昔のようにはいかなくなっている点を理解した上で、時代にあった人材募集の方法にスポットを当ててみましょう。
目次
パチンコを知らない若者が増えた
パチンコ店への入店は、風俗営業法により18歳未満はできないが、実はこの法律自体は1950年代に制定されたもので、歴史自体はかなり古いものです。しかしながら、1990年代前半まではうるさく言う者はあまりおらず、店内で子どもの姿を見かけることもあり、子どもにとってパチンコ店は【親に連れていかれる】身近な存在でありました。その後、店内で起きた誘拐事件をきっかけに、店頭で「18歳未満立入禁止」の張り紙を貼ることが義務付けられ、子どもの入店禁止は徹底され、身近な存在としてはなくなっていきました。
パチンコを知ったきっかけは?
若者がパチンコをはじめるきっかけは何なのでしょうか。実は7割ものアンケート結果で「家族や友人に連れられて」(Amusement Japan・P-world調べ)と挙げています。つまり、既存ユーザーが新規ユーザーを連れてきてくれるのです。しかし現在、物価は上がっているものの所得は1990年代とさほど変わっておらず、遊ぶほどの経済的余裕が無くなり、既存ユーザーが大幅に減ってしまっています。冒頭でお伝えした通りユーザーはピークの3,000万人から800万人まで減ってしまっているのです。パチンコをはじめるきっかけの7割が、既存ユーザーからの誘いなのにもかかわらず、その既存ユーザーが減っているのだから、新規ユーザーは増える訳もなく、パチンコ自体を知らない若者が増えているのが現状です。
パチンコ店を知らない人に向けた求人を出していますか?
飲食店やスーパーマーケットでのお仕事など、日頃からよく利用する場所に関しては、ある程度求職者も仕事内容に想像がつくため、応募のハードルが低くなります。しかし多くの若者にとっては、18歳まで入ることの出来ない謎多き場所となっているパチンコ店では、仕事内容やその難易度など、正確にそして具体的に求人に書かないと求職者の応募ハードルが上がってしまいます。時給や福利厚生などの記載はもちろんのこと、仕事の具体的な内容や、稼働時間、写真を掲載できるようでしたら、お店の外観や内観、休憩室でのスタッフの和気藹々とした雰囲気などを載せることで、求職者が職場のイメージをし易いようにして、応募のハードルを下げていきましょう。また、求人情報を具体的に書くことは早期退職の帽子にも繋がります。
パチンコ店のポジションごとのメリット・デメリット
パチンコ店のアルバイトスタッフで必要となるポジションごとの求める人材象を、しっかり把握することで、求人の書き方も見えてきます。改めてポジションごとの役割を見ていきましょう。
ホールスタッフ
主に遊戯中のお客様の接客や、遊戯台の清掃等を随時行います。昨今は自動計数機の普及により、今まであった出玉の計数などはなくなり、お客様の接客がメインとなってきたポジションでもありますが、ドル箱を使用している店舗もまだまだ多く、1箱あたり約8kgもあるドル箱の上げ下げや、出玉計数はなかなかの重労働になってきます。パチスロに関しては、パチンコよりも重いものを持つ工程はなくなりますが、いずれにしても休憩時間以外は、常に動いている肉体労働となり、はじめてパチンコ店で働いた者は、想像していたイメージとのギャップにより、早期退職が多く見られるポジションでもあります。
メリット
・時給は他業種と比べると高い傾向にある(応募者)
・自動計数が設置されている場合は接客がメインになり重労働ではなくなる(応募者)
・フリーターの場合、業務に慣れさえすれば退職しにくいポジション(ホール)
デメリット
・ドル箱を使用しているホールでは重労働になる(応募者)
・休憩時間以外は基本的に立ち仕事(応募者)
カウンタースタッフ
主に遊戯を終了したお客様の景品交換や、その景品の準備、店内POPなどの備品に関する簡単な作成などがあります。台数が少ない店舗では、ホールスタッフと兼任するところもありますが、基本的にはその日担当となったスタッフが終日対応します。ホールスタッフのように、店内を常に動きまるということはありませんが、基本的に休憩時間以外は立ちっぱなしの業務になります。お客様と接することが多いポジションとなり、苦情や一方的な文句を言われることもあるため、体力面よりもメンタル面で追いやられて退職になってしまうパターンも見られます。
メリット
・パチンコ店の中では数少ない重労働ではないポジション(応募者)
・重労働ではないが、ほとんどがホールスタッフ同じ時給(応募者)
・性別を問わなければ集めやすいポジション(ホール)
デメリット
・クレームを直接受けやすい(応募者)
・男性が活躍しにくいポジションになるため、人材を集めにくい(ホール)
・景品のミスが大きな問題に繋がることがある(応募者・ホール)
カフェスタッフ
店内で遊戯中のお客様一人一人にドリンクを販売するスタッフ。ほぼ女性が配置されます。超大型店でもない限りは一人で対応することが多く、巡回はなかなか大変になります。また、エレベーターやエスカレータがないホール、あっても使用してはいけないホールなどでは、フロア間の移動がすべて階段になるため、結構な体力が必要となります。また慣れないうちは、同じような遊戯台や、自由に移動するお客様が多い中で、注文の品を間違えずにお届けすることは、なかなかのハードルとなります。
メリット
・基本的には単純作業の繰り返しになる(応募者)
・フロアが大きくない場合は作業自体の負担が少なくなる(応募者)
・集めやすいポジション(ホール)
デメリット
・ホールの配置や注文したお客様の顔をしっかり覚える必要がある(応募者)
・階段でしか移動できない場合はある程度体力が必要になる(応募者)
清掃スタッフ・駐車場スタッフ
大型店舗を中心に清掃の専属スタッフや、駐車場整備のスタッフも在籍します。清掃スタッフは通路やレストスペース、トイレや灰皿清掃を行います。稼働時間は開店前、営業中、閉店後と時間帯ごとに分けられており、年齢層も幅広く取りやすいポジションとなります。主婦層が空いた時間に入れるので、比較的募集も早く集まる部類です。駐車場スタッフに関しても年齢層は幅広く、取りやすいポジションになります。しかしながら閉店後の清掃に関しては、稼働終了が深夜帯になることもあり、電車やバスではなく、自家用車が使える人材や近隣住民に限られることがあります。
メリット
・年齢層を幅広く受け入れられる(応募者・ホール)
・単純作業が多い(応募者)
デメリット
・閉店後清掃に関しては、近隣住民や自家用車やバイクを持っている人に限られる(ホール)
長続きしているスタッフの共通点・特徴とは?
人材を募集しても、すぐに辞められてしまっては意味がありません。そのため、早期退職の原因を探り、対策を講じるのも一つの方法ですが
逆に、継続しているスタッフの特徴を知り、運用に生かすのも一つの方法です。ここでは、実際にパチンコ店で働く勤続1年以上のスタッフを対象に、「なぜ続けているのか。続けられている理由」をアンケートしてみました。
・時給に見合った業務内容
・シフト希望が通る(出勤希望日と希望休が反映されている)
・客層が良く、接客もしやすい
・店内や休憩室、更衣室などのバックヤードがきれい
・働くスタッフの年齢層が近しく話しやすいし、気軽に相談しやすい
・緊張していた勤務初日にも、声かけなどのコミュニケーションをとってくれた
・役職者との距離が、いい意味で近いので、相談事などがしやすい
・社員との相談時にレスが早く、相談内容の返答も的確
・日払いがある
・先輩アルバイトスタッフが接しやすい
・身だしなみ規定が緩い
・家から近い
・純粋にパチンコやパチスロが好きなので
上記のアンケート結果と、早期退職の原因を比較しても、長続きする理由の一つとして「良好な人間関係の構築」は重要になってきます。誰しも初勤務時には緊張するものですが、それを解きほぐしてくれたり、定着してからも相談にのってもらいやすく、話しやすい環境があるということは、間違いなく長期継続勤務に繋がります。
ソーシャルリクルーティングを活用する
近年ではSNSを利用する若者が増えており、それに伴い「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれる、SNSを活用した求人活動に取り組む企業も増えてきています。運用自体は無料でできるため、求人コスト的にも抑えることができます。しかしながら、ただ闇雲に手を出しても労力だけかかってしまいます。各SNSの特徴から、メリット・デメリットをしっかり把握し、人材ターゲットを明確にすることで、採用のミスマッチを事前に防げるようにしていきましょう。
2021年のデータでは、利用率は20代で約70%、30代で約40%、40代で約30%となり、男女問わずユーザー数は多い傾向にあります。些細な情報を得る際に使われやすく、情報拡散力は非常に高いですが、その代わりに炎上してしまった場合も広範囲に拡がるため、ネットリテラシーをある程度持ち合わせている方が担当されることが望ましいと言えます。
メリット
・拡散力は高い
・リアルタイムの情報をすぐに投稿可能
・フォロワーとコミュニケーションが取りやすい
デメリット
・炎上してしまった場合の処理が大変
・投稿内容の修正が不可
・投稿文字数の制限がある
SNSの中で唯一実名登録が必要になり、面識のある友人やビジネスでの繋がりからフォロワーが増えていきます。若年層ユーザーもそこまで多くないため、アルバイト募集での利用よりも、正社員募集での利用に向いています。
メリット
・ターゲットを絞っての広告を打てる
・B to Bでの利用に向いている
デメリット
・個人情報の登録が必要
・若年層に情報を発信するには不向き
20代〜40代の女性ユーザーや、トレンドに敏感な層の利用が多くみられます。20代の利用率は約75%、30代の利用率は約50%と非常に高いのと、画像や動画での伝達には向いていますが、テキストでのメッセージ伝達にはやや不向きな部分がある。
メリット
・女性を中心に、20代のユーザーが多い
・写真や動画など、メッセージ性の強い発信ができる
デメリット
・拡散力が低い
・フォロワーを維持するのに労力が必要
・テキストでの発信は不向き
LINE
全年齢層で利用率が高く、もはや知らない人のいないツールとなっている。利用ユーザー数は圧倒的ながら、メッセージを個人宛に送るには、一度お友だち登録をしてもらう必要がありワンクッション必要。また、広告もFacebookよりターゲットを絞りにくく、予算を多めに設けないと効果が出にくいなど、メリットとデメリットがはっきりしている。
メリット
・利用ユーザー数が圧倒的
・無料でメッセージを送ることができる
・メッセージを見てもらいやすい
デメリット
・友だち登録した人にしか配信ができない
・メッセージ送信数が多い場合、有料プランにする必要がある
TikTok
2016年からサービスを開始した動画投稿型の新しいSNS。若年層が圧倒的に多いが、30代以上のユーザー利用率は10%台となる。動画制作のハードルは高そうだが、昨今は簡単に動画が作れるアプリもあり、編集方法が固まりさえすれば、比較的簡単に投稿することはできる。
メリット
・若年層に情報を発信できる
・企業の参入がまだ少ない
・他のSNSと連携しやすい
デメリット
・動画制作にある程度のセンスがいる
・若年層にユーザーが固まりすぎている
パチンコ店のアルバイトスタッフは、ある程度の体力と接客力が求められます。若い世代の人材を募集したい場合は、Instagramを積極的に利用していくことで、ターゲットを絞り情報を発信していくことがおすすめとなります。それでは、実際にInstagramをどのように運用していくのがいいのか見ていきましょう。
Instagramを求人で利用する
InstagramはFacebookが運営する写真・動画共有ソーシャル・ネットワークサービスです。20代を筆頭に日本で3,300万のユーザーがおり、そのうちの1/3である1,000万人は20代のユーザーになり、さらにその中の62%は女性ユーザー、38%は男性ユーザーとなります。
運用担当を決める
求人に限らず、SNSの運用で重要なのは「毎日投稿する」ことです。気づいた人がやるという管理方法ですと、必ず途中で投稿がストップしてしまいます。投稿されないということはブロックされる原因にもなりますので、しっかり毎日投稿できるよう、SNS担当を2人以上つけ、担当が休みの日だから投稿されない、などということがないようにしましょう。
投稿内容はどうすればいいのか?
いくら求人目的の投稿であったとしても、毎日のように求人内容をコピーして投稿するようでは、フォロワーもつきませんし効果はありません。特に、企業がSNSを運用したビジネス色の強い投稿は通常ユーザーから嫌われる傾向にあり、ブロックを促進します。冒頭の通り、今の若い世代はパチンコ店がどういう場所で、どういう雰囲気で、どういうことを行っているのかを知りません。そこをフォローすべく、「スタッフ同志の和気藹々としたシーン」を中心に、パチンコを知らない層に向けて「楽しそうで安全な職場」とイメージさせる写真を載せた投稿を心がけてみましょう。また、人間は押されれば押されるほど、反抗的に心理が働くブーメラン効果というものがあります。「楽しい職場です!スタッフ募集中」と毎回しつこく書かれた投稿を目にすると、「いい職場なら人は辞めないし、すぐ募集も集まるのでは」と思い、応募するまで至りません。あくまでも応募の導線は残しつつも、投稿内容は楽しい職場であることのアピールを中心にしていくようにしましょう。
長い目で見て運用をする
上記の通り、プッシュ型の求人ではないため成果を得るまでに時間がかかるかもしれません。しかしながら、SNSアカウント(過去の投稿やフォロワー)は資産になります。求人以外でも何か情報を発信したい時に、届ける先(フォロワー)があることは強みになり、また過去の投稿は企業の信頼度に繋がります。無料で運用はできますし、投稿時間自体は5分もあれば1日分は終わります。職場の雰囲気を長い期間をかけて伝えられている分、採用のミスマッチも少なくなり採用コストはトータルで見ると低くなっていますので、長い目で見て求人数のKPIを立てていきましょう。
ソーシャルリクルーティングはすぐに効果は出るものではありませんので、人材が足りなくなってからスタートするのではなく、人材が足りているうちからスタートし、常に運用している状態が望ましいと言えます。
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