心理的リアクタンスとは、選択できる自由な環境や条件が、外部や何らかの要因によって抑圧・阻害される時に、自由を回復しようとする作用のことを指します。
この心理状態はパチンコにおいてもよく起きる作用です。
ここでは心理的リアクタンスとパチンコの関係性などを解説していきます。
目次
心理的リアクタンスの理論を使った心理学用語
カリギュラ効果
カリギュラ効果とは「禁止・抑制されるほどにそれをやってみたくなる」というものです。
名前の由来は1979年アメリカで上映された「カリギュラ」という映画が元になっています。
この映画は内容は過激だったため、公開後すぐに上映中止となりましたが、かえって人気が急上昇してしまうという現象が起きました。
この出来事になぞらえて、名前が付けられました。
昔話でいうと「浦島太郎」や「ロミオとジュリエット」がそれに近いでしょう。
ダメと言われるほどにしたくなってしまうという心理作用が働くというものです。
ブーメラン効果
ブーメラン効果とは、「相手を説得するほど相手が拒絶されてしまう」という現象です。
説得しようとした言葉が反対に「拒絶」という反応でかえってくることからこの名前が付けられました。
例えばセールスマンに、自分にとってとても有益な情報が得られる商材を説明されている時に、契約をしたくないと感じるような現象と似ています。
パチンコ業界における心理的リアクタンス
パチンコにおいて例に挙げるのであれば、新型コロナウイルス感染症対策のための緊急事態宣言では、パチンコなどの遊技場の営業自粛が記憶に新しいでしょう。
店名が公表されたお店に多くのお客さんが殺到してしまったという現象も心理的リアクタンスが影響していると考えられるでしょう。
全国のパチンコ店のほとんどが休業している中でも営業をしていた一部のパチンコ店は、希少性が高くなったことで「パチンコをしたいのに出来ない」という不満がたまった心理状況に強い影響を与えたことになります。
パチンコ店でのカリギュラ効果の活用方法
先ほど、パチンコを例に挙げてカリギュラ効果が影響していると説明しました。
シークレットイベントで活用する
例えば「シークレット系」のサービスが当てはまるでしょう。
シークレットイベントは告知の段階でイベントの詳細はあえて載せずに、来店してもらうことで詳しい内容が分かると言ったものです。
機種名を伏せて「新台導入」と告知をだしたり、来店取材に誰がゲストとしてくるかを秘密にしたりといったことがよく使われます。
宣伝でもよく使われる方法では告知写真や文章にモザイクをかけるといった手法が一般的で簡単にできる告知方法でしょう。
最後に「お店でぜひご確認ください!」を添えるだけでもシークレット性が演出できます。
心理的リアクタンスを「営業」で活用する方法
営業で心理的リアクタンスを活用するなら以下の2つのポイントをおさえましょう。
- 現状を肯定する
- 説得はしすぎない
現状を肯定する
営業において難しいとされているのは「相手の悩み・潜在的ニーズを引き出すこと」です。
その際に心理的リアクタンス「現状を肯定する」が役に立ちます。
例えば、商品やサービスを売り込む際に「売上増加について悩みはありませんか?」と聞くと売り込みに来ている感じが表に出てしまいやすいです。
対して「今のままでの十分に売上はとれているんじゃないですか?」とあえて現状を肯定してみましょう。
すると相手は「いやいや、そんなことないですよ!と返ってくることが多いでしょう。これがいわゆる「謙遜」というものです。
この言葉が出てきたら次の言葉を続けてみてください。
「そうなんですか!?結構繁盛していると思いますよ?もしよろしければ、そのお悩みを聞かせてもらってもいいですか?」
これで自然に相手の悩みが聞きだしやすくなります。
説得はしすぎない
心理的リアクタンスの説明の時に、ブーメラン効果をあげました。
これは営業の世界でもよくある話で、お客さんに説得をすればするほど、拒否されてしまったというケースです。
商品やサービスをごり押しされてしまうと、かえって購入したくないという気持ちが働いてしまうからです。
この場合には、「押してダメなら引いてみる」を活用してみましょう。
その場で売り込もうとするのではなく、お客さんの「現状」として「理想」をまずはしっかりと聞き込むという姿勢が大切です。
一呼吸おいてから、後程提案をするのでも十分に間に合います。
すぐに結果を出そうと焦ってしまうとかえって逆効果です。
心理的リアクタンスを「マーケティング」で活用する方法
心理的リアクタンスをマーケティングで活用するなら「用途・目的・業種」に応じて適したフレーズを使い分けましょう。
禁止・制限をかける
「旧イベント日」などいつもより集客力が高かった特定の日にインパクトのあるフレーズを使ってみるという手です。
「友人や知人は誘わないでください」「絶対に一人で来店してはいけません」といったものです。
狙ったターゲットにちょっと制限をかける文言を設定し、その先にあるものを期待・妄想させるのが目的です。
ここで注意しなければならないのが、設定する条件は「低いハードルにすること」です。
条件が難しすぎてしまうと、かえって反発・拒絶で返ってくるという逆効果になってしまう可能性があるからです。
ポイントは、「禁止」ではなく「許可ありき」という点を忘れなければパチンコ店への集客のための作戦を考えることは難しくないでしょう。
インパクトのある文言ほど注目を集め、期待させることにも繋がるのでおすすめの方法です。
ただし、あまりにも過剰な表現にしてしまうと「胡散臭い」と思われてしまって逆効果にも。使う頻度や程度などはここぞという時にしましょう。
まとめ
心理的リアクタンスとパチンコの関連性について解説しました。
人は「ダメ!」といわれるほどに、その対象をやってみたいという衝動に駆られることがあります。
この心理作用をうまく利用をしてパチンコ店の宣伝・告知を行うことも良く行われているテクニックです。
パチンコを運営していくには、人の心を様々な側面からがっちりと掴むための仕掛けを用意することも重要です。
<おすすめ記事>
パチンコ店のアルバイト不足はなぜ起こる~原因を知り、的確な対策を取る~
パチンコ店のホールスタッフを募集するには何がベストか、時代にあった求人・募集方法を考える
職種別に人気エリアから探す
こだわりの条件で探す
仕事術、トレンド記事も随時更新!
お役立ちコンテンツ
仕事術、トレンド記事も随時更新!